ベンチプレス未経験者や初心者の中には「やり方」や「コツ」がわからない方もいるのではないでしょうか。
ベンチプレスとは
「ベンチプレス」という言葉自体は耳にしたことがある方が多いのではないでしょうか。
上半身を鍛えるウエイトトレーニングで、仰向けになりバーベルを持ち上げ、胸の位置まで下ろす動作を繰り返します。
ボディビルダーのような体型をしている人が取り組んでいるイメージがあるかもしれませんが、重量を軽く設定すれば女性でも気軽に取り組めます。
ベンチプレスではどの筋肉が発達する?
ベンチプレスを行うと、「どの筋肉が発達し」「どんな効果」を得られるのか紹介します。
鍛えられるのは胸部・肩周り・二の腕
ベンチプレスは腕を使って重量を上げるトレーニングですから、何となく腕に効くのは想像できるでしょう。しかし実際は、胸(大胸筋)がメインに使われる種目で、補助的に二の腕(上腕三頭筋)や肩(三角筋前部)が使われます。
参照:NSCAジャパン ベンチプレスの徹底分析
ベンチプレスで得られる効果
ではベンチプレスで胸・肩・二の腕の筋肉が発達すると、具体的にはどんな効果が得られるのでしょうか。
男性は肩幅ががっしりして、たくましく見えるようになります。胸も厚くなるので男性らしい体が作れるでしょう。夏場など特に、腕を出すファッションに抵抗を感じなくなるのではないでしょうか。
女性は二の腕の脂肪に悩む方が多いですが、そんな悩みの種となる二の腕がベンチプレスによって引き締まります。また、胸の筋肉も発達することからバストラインが綺麗になることも期待できます。
初心者がベンチプレスを始めるときの7つの注意点
ベンチプレスの効果をしっかり発揮させ、安全に取り組むためにはいくつか注意すべき点があります。
ここからは初心者がベンチプレスを行うときの注意点を7つに絞って解説していきます。
①正しいフォームで行う
大前提ですが、ベンチプレスに取り組むときは正しいフォームで行うようにしましょう。間違ったフォームで行うと、効果がうまく発揮されないだけではなく 体を痛めてしまうリスクもあります。
※正しいフォームについては後ほど紹介します。
②無理のない重量・回数で行う
早く高重量を上げられるようになりたいと、つい無理のある重量でベンチプレスに取り組んでしまうこともあるかもしれませんが、無理なトレーニングは怪我にも繋がりますので、自分に適した重量を選択しましょう。
また、回数については筋肥大が目的の場合8~12回、 持久力アップが目的の場合15~20回、最大筋力アップが目的の場合3~7回で限界がくる重量設定と回数が、より目的にあった効果を引き出せます。
初心者の場合は上記を踏まえ、1~3セットを目安にトレーニングプランを組みましょう。
参照:NSCA パーソナルトレーナーのための基礎知識 P393 トレーニング量:レップとセット数
③セットごとに休憩をとる
ベンチプレスに取り組む時、セットごとにしっかり休憩を取ることを忘れないようにしましょう。
たとえ回数が少なかったとしても休憩は必要です。休憩をしっかりとることで、次のセットでも正しいフォームを保ちながら筋肉を使うことができるのです。
水分補給や軽いストレッチなどをしつつ、負荷のかかった筋肉を休ませるようにしてください。
④ベンチプレスで反動を使わない
とても大事なことですが、ベンチプレスを行うときに胸で弾みをつけてバーベルを上げるのはやめましょう。弾みをつけた範囲は筋力の向上が得られないのでトレーニングの効率が悪くなります。
また、高重量になるほど胸郭と胸骨に大きな負荷がかかり怪我のリスクが高まるので、反動を使ったベンチプレスは控えるようにしましょう。
⑤補助をつけながら実施する
せっかくのトレーニングも怪我をしては全く意味がありません。安全に種目を実施するために、補助者がいると安心です。疲れてきたり、挙上の際に問題が発生した際に手助けをしてくれる状態だと、種目に集中することができます。
また、補助者(パートナー)がどうしてもいない場合は、セーフティバーを用いると良いでしょう。挙上できなくなった際に、胸郭(胸部)が圧迫されて、呼吸困難になるのを避けることができます。
理想的なセイフティーバーの高さの位置としてはバーベルを挙げることができなくなった時でもバーベルが首やお腹を圧迫することのなく、なおかつ胸の高さよりも低い位置です。
⑥毎日ベンチプレスをしない
筋トレ初心者だと、つい毎日のように筋トレをしたくなるかもしれません。
部位を変えて計画的に毎日筋トレをすることは問題ないのですが、ベンチプレスを筋トレに取り入れる際には、毎日ベンチプレスを行わないようにしましょう。
これは 筋肉を発達させるためには休息が必要だからです。
毎日ベンチプレスを行うと 筋肉痛が治らないまま筋トレを行うことになったり、疲労が蓄積されて正しいフォームを保ちづらくなったり、本来のパフォーマンスを発揮できなくなる可能性があります。
初心者の場合ベンチプレスに取り組むのは、多くても週に2~3回の頻度をおすすめします。
参照
:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト オーバートレーニング症候群
:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト 筋力・筋持久力
⑦タンパク質を中心にしっかり栄養を摂る
ベンチプレスに限らず、ウェイトトレーニングの効果を最大限に発揮するには、食事も重要です。
筋肉をつくるタンパク質や、エネルギー源となる脂質や糖質をはじめ しっかり栄養を摂るようにしましょう。
参考:The Mechanisms of Muscle Hypertrophy and Their Application to Resistance Training
「初心者向け」おすすめのベンチプレスのやり方
ここからは、初心者におすすめのベンチプレスのやり方を正しいフォームも含めて紹介します。
ベンチプレスの正しいフォーム
- 頭・背中・お尻をベンチに、両足を地面につけた状態でバーベルと目線が同じ位置になるように仰向けになります。
- バーベルを握る時には、両手の位置を中心から等しい間隔に、肩幅よりも少し広めの場所で握ってください。目安としては、肩幅からこぶし一個分くらい外側です。
- 肩甲骨を寄せて肩を下げるように胸を張った状態を作りバーベルを浮かせます。
- バーベルを息を吸いながらトップバストの位置に降ろし、押し上げる体勢になったら強く息を吐きだします。
- 押し上げる際は、まっすぐ上に挙げます。バーベルを下げるときも同一にトップバストの位置まで下げてください。
以上の動作を「1回」とします。
初心者が取り組むべき回数・セット数
ややきついなと感じるくらいの重さを(筋肥大目的とする場合)8~12回か、(持久力アップ目的とする場合)15~20回を1~3セットを目安に行いましょう。
初心者はまず正しいフォームを習得することと、継続できることが重要です。負荷をかけすぎないよう調整してください。
参照:NSCA パーソナルトレーナーのための基礎知識 P393 トレーニング量:レップとセット数
ジムのトレーナーに相談するのがおすすめ
初心者がベンチプレスに挑戦する場合、可能であれば、ジムのトレーナーさんに相談するのがおすすめです。どの程度教えてもらえるかは、サービス内容やジムの方針によっても異なりますが、身長体重や筋トレの目的などをヒアリングし、それに合った方法を教えてくれるトレーナーさんがいると尚良いです。
まとめ
ベンチプレスでより効果を出すための注意点や、正しいフォーム、適切な重量や回数についてご紹介させていただきました。
正しいやり方を継続すれば、引き締まったかっこいい上半身や、綺麗なボディラインを目指せます。
上半身を「鍛えたい」「引き締めたい」という方は、ぜひベンチプレスに挑戦してみてくださいね。