お尻の鍛え方はご存知ですか?
後ろから見てキュッと引き締まったお尻は、男女問わず魅力的ですよね。
しかしながら、お尻の形に自信がなかったり「もっとこうなりたい」という理想を持っている方は多いのではないでしょうか。
・重力に負けてダラッと垂れ下がってしまったお尻
・脂肪がつきすぎて形が悪くなってしまったお尻
・昔のジーンズが履けなくなってしまったお尻……
このコラムでは、こんな悩みをお持ちの方でも美尻を目指せる 人気のトレーニング方法「ヒップスラスト」の正しいやり方や、その効果を高めるために大事なポイントを解説付きで紹介します。
腕立て伏せや腹筋など、自宅でできるポピュラーなトレーニングに比べて「まずはどうしたら良いのかわからない」という方も多いかと思いますが、意識して正しく鍛えれば誰もが憧れるキュッと上がった美尻を目指せます。ジムに行かなくても、工夫次第では自宅で簡単にできるトレーニングなので、「自分のお尻を変えたい!」と思っている人は、ぜひチャレンジしてみてください!
ヒップスラストとは
ヒップスラストとは、お尻を鍛えるトレーニングのひとつで、英語では「Hip Thrust」と書きます。Hip(お尻)をThrust(ぐいっと押す)という意味なのですが、トレーニングの動きはまさに「お尻をぐいっと押す」の繰り返しです。
動作はとてもシンプルで、仰向けの状態になって、バーベルやダンベルを股関節付近に置いた状態から、お尻を上げ下げします。
このトレーニングで鍛えられる主な筋肉はこちらです。
・大殿筋
・ハムストリングス
・大腿四頭筋
それぞれの筋肉の役割について簡単に説明します。
大殿筋 | ・人間の身体の中で一番大きな筋肉[大殿筋]を鍛えると基礎代謝向上に繋がる・骨盤の後ろから太ももの横まで伸びている筋肉・歩いたり走ったりする時に下半身の安定をとっている・安定した歩行をするために重要で、筋肉が弱くなるとバランスが不安定になり転びやすくなる |
ハムストリングス |
・半腱様筋、半膜様筋、大腿二頭筋の3つの筋肉の総称 |
大腿四頭筋 | ・大腿直筋、内側広筋、外側広筋、中間広筋の4つの筋肉の総称 ・太ももの前面にある筋肉・膝関節を伸ばしたり股関節を動かして足を持ち上げる時に働く ・自転車を漕いだり、階段昇降など普段の生活でも鍛えやすい筋肉 |
ヒップスラストでは、お尻以外に太もも前後の大きな筋肉も一緒に鍛えられます。
複数の筋肉を同時に鍛えられる、まさに一石三鳥のトレーニングですね!
出典:早稲田大学大学院 人間科学研究科 半田 徹代表的な筋力トレーニング種目における主働筋の筋電図学的分析
ヒップスラストのやり方
それではヒップスラストの正しいやり方を解説します。
①床に座り背中をフラットベンチに当てる
肩甲骨の下側がフラットベンチの上側面に当たるように座ります。
(自宅トレの場合座面が膝高程度の椅子でも代用可能です。)
②バーベルを持ち、スタートポジションを作る
バーベルを腰骨の下~股関節あたりに置き、膝から肩が一直線になるようにお尻を持ち上げます。
その際に膝の関節が90°になる位置に足を置きます。(足は45°に開き足幅は腰幅にセット)
足の位置が決まった後、地面に着かない程度までお尻を下げスタートポジションの完成です。
③トレーニング開始
反動をつけずにお尻を持ち上げ、下ろす際はゆっくり降ろしましょう。
ポイント
①お尻が一番上がった状態の時、肩・股関節・膝を一直線にしましょう。
②呼吸はお尻を上げる際に吐いて、下げる際に吸います。
最初はバーベルなしでOK!
ヒップスラスト初心者は初めから重いバーベルを使う必要はありません。最初は自分の体重の負荷だけでトレーニングを行いましょう。重い負荷をかけるよりも、まずは正しい姿勢を保ちながらトレーニングを行うことが重要です。
慣れてきて正しいフォームで無理なく行えるようになったら、ダンベルやバーベルを使って筋肉に負荷をかけましょう。負荷をかけることで、筋肉を効率的に鍛えられます。
ヒップスラストの効果
ヒップスラストによって期待できる効果はこちらの4点です。
・美尻になる(ヒップアップ)
・美脚になる
・筋肉量が増えて代謝が良くなりダイエット効果が期待できる
・運動のパフォーマンスが向上する
それぞれの項目を詳しくみていきましょう。
①美尻になる
まずは何と言っても「プリッと上を向いた美尻が手に入る」という点が期待できます。大殿筋はお尻にある一番大きな筋肉です。この部分を集中的に鍛えることで、垂れていたお尻がキュッと上がりセクシーなお尻に変わります。
後ろから見られても恥ずかしくないお尻が手に入りますよ。
②美脚になる
ヒップスラストは大殿筋以外にも、太ももの前後にあるハムストリングスや大腿四頭筋などの大きな筋肉を同時に刺激して鍛えるため、下半身全体のトレーニングにも繋がります。
お尻がだらんと垂れ下がって、太ももとの境目が分からないと悩んでいる方は、ヒップスラストで鍛えればお尻と太ももの境目がしっかりと分かれ、脚が長くなったような脚長効果も期待できます。
太ももの裏側や内側は脂肪がつきやすく、セルライトが特に目立つ場所です。ヒップスラストで普段鍛えにくい場所を集中的にトレーニングすれば、スラッと引き締まったモデルのような美脚に近づけます。
③筋肉が増えることでダイエット効果が期待できる
お尻や太ももの大きな筋肉を鍛えると、基礎代謝が上がります。基礎代謝とは、何もしていない静止状態での消費カロリー量に大きく関わり、基礎代謝が上がれば上がるほど多くのカロリーを消費する「痩せやすい体」ということになります。また、筋肉量が増えて基礎代謝が上がれば、生活習慣病の予防にもつながります。(※1)
ヒップスラストで大殿筋や大腿四頭筋などの筋肉を集中的に鍛えると代謝が上がり、痩せやすい体を手に入れられます。体脂肪を落としたい人は、大きな筋肉を鍛えて基礎代謝を上げましょう。
※1:朝日新聞Reライフ.net「基礎代謝を上げるにはコレ!医学博士がすすめる九つの方法」
④運動のパフォーマンスがアップする
お尻や太もも、下半身の筋肉が増えると瞬発力が上がります。瞬発力・俊敏性が上がるので、普段からスポーツをしている人はパフォーマンスアップに繋がります。その結果、以前よりも良い結果が残せたり、活躍できたりするようになるでしょう。
ヒップスラストの効果を高めるために大切なこと
せっかくヒップスラストをするのなら、しっかりと効果を出して引き締まった体を手に入れたいですよね。同じ運動をしていても、ポイントを知らなければ、効果は半減してしまいます。
そこで、最後にトレーニングを行う上で意識すべきポイントを5つご紹介します。
トレーニング効果を出すためにも、ぜひ意識しながらヒップスラストを行いましょう。
①お尻を意識してしっかりと絞める
ヒップスラストはお尻を中心に鍛えるトレーニングです。つまり、お尻の筋肉を意識して鍛えなければ意味がありません。実際に、お尻の筋肉を意識しなくても、脚の筋肉を使えばお尻を持ち上げられますが、これでは効果が現れにくいのです。
必ずお尻の筋肉を意識してしっかりと絞め、大殿筋に負荷がかかっているか確認しながらトレーニングに励んでください。自分の意識次第でも効果は変わります。
②お腹の力は抜かない
お腹に力を入れると姿勢が安定します。その結果、正しい姿勢を保ちやすくなり、鍛えたい部分(大殿筋や大腿四頭筋)をしっかり刺激できます。
正しい姿勢でトレーニングを行わないと効果が半減してしまうので、腰だけの力でお尻を持ち上げないように気をつけてくださいね。お腹に力を入れながらのトレーニングは、体幹を鍛えるためにも大切ですよ。
③ゆっくり丁寧に行う
慣れてくると反動を使ってお尻を上げ下げしてしまいがちですが、それでは筋肉にしっかりと負荷がかかりません。お尻をゆっくり丁寧に上げ下げすることが大切なので、意識して行いましょう。ゆっくり上げ下げすれば反動をつけにくく、腰を痛めるリスクも下がります。
④呼吸は止めずに腹式呼吸
筋トレする時に息を止めてしまう人がいますが、ヒップスラストを行う時は深い呼吸を意識することが大切です。ゆっくりと息を吸いながらお尻を上げていき、吐きながらお尻を下げていく、この動きが基本となります。
鼻から吸って口から吐く腹式呼吸をすれば腹筋も刺激されて脂肪燃焼効果もアップします。
⑤トレーニング前後にストレッチを行う
ヒップスラストを行う前、そして行った後は必ずストレッチをしましょう。
ヒップスラスト前にストレッチをすれば関節がほぐれて可動域が広がり、しっかりと体を動かせるようになります。しっかり体が動かせれば、その分筋肉に十分な負荷をかけられるため効果が上がります。
また、ヒップスラストに限らずトレーニング後の筋肉は、負荷がかかり傷ついた状態であるため回復させる必要があります。筋肉は傷つき、回復を繰り返すことで鍛えられます。ヒップスラスト後のストレッチは、筋肉を回復させるために必要で、筋肉の疲れをとるために重要な動作となります。
ヒップスラストの効果を上げ、ケガなどを予防するためにも、前後のストレッチは念入りに行ってくださいね。
出典:Coach-Match「筋トレ前後のストレッチの重要性」
まとめ
正しいフォームでヒップスラストを行えば、キュッと上がった美尻が手に入ります。
ただし、正しい姿勢がとれていなかったり、鍛えたい筋肉を意識できていなかったりするとその効果は半減してしまいます。
もし、自分一人でヒップスラストを行う場合はスマホなどで動画を撮って後から自分の姿勢を確認することをおすすめします。
「継続は力なり」と言いますが、続けることで必ず結果はついてきます。ぜひ、自分が描く理想の美尻を手に入れてくださいね!