「睡眠の質を高めるって何だろう」「睡眠の質を高めることで得られるメリットは?」
近年睡眠の質を高めようとする飲み物や食べ物などが販売されており、睡眠の質について関心を持つ方も増えています。
本記事では睡眠の質を高める6つの効果や、睡眠の質を上げる食べ物(食事)と方法を10個解説します。
睡眠の質を高めるって何?
テレビやSNSで「睡眠の質を高めよう!」と書かれていたり、聞いたりしても「そもそも睡眠の質を高めるって何?寝てるだけじゃダメなの?」と疑問に感じます。
睡眠の質を高めるとは何かを具体的に解説します。
睡眠の質とは?
「睡眠の質」は、寝ている間に体が十分に休息と回復を得られる程度です。
眠りの深さ、眠りの連続性、そして起床後の眠気や疲労感の有無なども関連します。
- 深さ:REMステージとノンREMステージ(深い睡眠)が適切に繰り返されること。
- 連続性:一晩中何度も目覚めることなく、連続的に眠れること。
- 起床後:眠気や疲労感の有無
これらの要素が揃って初めて、質の良い睡眠と言えるでしょう。
このような睡眠を得るためには、適切な睡眠環境や日々の生活習慣が重要となります。
睡眠の質が高いとは具体的にどのような状態?
睡眠の質が高い状態とは、具体的に以下の4つの条件が整っている状態を指します。
- 効率的な深い眠り:浅い眠りと深い眠りのサイクルが適切
- 適切な睡眠時間:一般的に大人の場合、6~7時間(個人差あり)の睡眠が理想
- 中断されない睡眠:何度も目が覚めるなどして睡眠が中断されると、上記のサイクルが乱れ、質の良い睡眠を得にくい
- リラックスした状態での就寝:ストレスや不安感から解放され、リラックスした状態での就寝
これら4つの要素が揃って初めて、質の高い睡眠と言えるのです。
質の良い睡眠って「睡眠(眠り)が深い」ってこと?
「質の良い睡眠」には、深い睡眠を含む複数の要素が関与しています。
深い睡眠とは、レム睡眠とノンレム睡眠という二つのステージが繰り返される中で、特にノンレム睡眠のうちの深い眠り(スロー波睡眠)のことを指します。
このステージでは、身体の修復やエネルギーの補給が行われ、脳も休息をとることができるため、健康維持にとって非常に重要なフェーズです。
健康な体を保つために必要な時間は?
健康な体を保つために必要な睡眠時間は人それぞれ異なります。
ただし、一般的に大人では1日に6〜7時間の睡眠が理想とされています。
睡眠時間が3時間ではどのような影響がある?
健康な体を保つためには一日3時間の睡眠では十分では足りない方も多いでしょう。
また、自分にとって適切ではない睡眠時間は免疫力低下や集中力の減退を招く可能性も。
ただし、世の中にはショートスリーパーといって「3時間位の方が活動的になれる」という意見もあります。事実、偉人ナポレオンは3時間睡眠だったとされています。
とはいえ、睡眠時間は遺伝的な要素によって決まると考える睡眠専門家も多く、意図的に睡眠時間を短くすることは心身に良い影響は与えないでしょう。
睡眠時間が4時間ってヤバい?
睡眠時間3時間にも記載したとおり、元々ショートスリーパーである方や不眠症を患っていて4時間前後しか眠れないなど、人によってさまざまです。
元々ロングスリーパーで長時間眠る方が、急に4時間程度の睡眠時間が続けば日中眠気に襲われやすくなることや、免疫力低下や集中力の減退を引き起こす恐れもあるでしょう。
睡眠の質が良いことで得られる6つの効果
次は睡眠の質が良いことで得られる6つの効果を解説します。
体と脳を休める
一日の中で私たちの体は常に働き、脳も休むことなく情報を処理しているため睡眠によって疲労を回復させる必要があります。
ただし、好きなだけ眠れば体と脳が休まるというわけではなく「質の良い睡眠」をしっかり取れるかも重要です。
質の良い睡眠を取るためには、適切な睡眠環境やライフスタイル、食事などにも気を配ることが大切です。
免疫物質を作るホルモンの分泌
睡眠の質が良いと、免疫物質を作るホルモンの分泌がうまく行われます。
これは、私たちの体が外部からのウイルスなどに対抗するための強力な武器です。
具体的には、睡眠中に分泌される成長ホルモンが、細胞の再生や修復、免疫力強化に重要となる役割を果たします。
季節の変わり目や、ちょっとした外出で風邪をひいてしまう方の場合、もしかすると質の良い睡眠が取れていない可能性もありますね。
免疫機能のサポートや健康維持のためにも、質の良い睡眠を意識することが重要です。
作業能力や集中力の効率維持・上昇
脳は睡眠中に前日の情報を整理し、新たな知識を記憶する役割を果たしています。このプロセスを「記憶の定着」と言います。
この記憶の定着が健全に行われると、次の日の作業効率や学習効率が格段に上昇します。
一方、睡眠不足や質の悪い睡眠では、記憶の定着が阻害され、作業能力や集中力が低下する可能性が高まると考えられるため、しっかり睡眠時間を確保することが重要です。
生活習慣病のリスク低減・健康維持
睡眠の質が良いと、生活習慣病のリスク低減・健康維持のためにも大きな効果をもたらします。
質の良い睡眠は、血圧や血糖値の安定、コレステロール値の調整などの効果を発揮し、心疾患や糖尿病等のリスクを低下させる効果が期待できます。
実際、過去に睡眠の研究として新潟大学の研究グループが日本人3万人以上を8年間追跡した結果によると「睡眠時間が短い程、糖尿病の発症率が高い」としているのです。
ほかにも、一部にの研究では、睡眠時間が6時間未満の場合、狭心症や心筋梗塞のリスクが上がる可能性や5時間以下だと脳や心臓疾患のリスクが上がる可能性があるとされています。
このように、健康な体を維持するためには睡眠と、睡眠の質が大事ということなのです。
ストレス軽減
ストレスは私たちの日常生活に大きな影響を与えます。
仕事や人間関係、さまざまな問題によりストレスが溜まり、それが睡眠に影響を及ぼすこともあるでしょう。
しかし、質の良い睡眠は、それらのストレスを軽減する効果があります。
良質な睡眠を取ることで、脳は十分に休息をとることができ、リラクゼーション状態に入ることができます。これにより、ストレスを感じるホルモンであるコルチゾールの分泌が抑制され、心地よいリラックス状態を保てる効果が期待できるのです。
また、快適な睡眠はストレスによる疲労感を和らげる効果もあります。
つまり、質の良い睡眠をとることは、ストレスを軽減し、心地よいリラックス状態を作り出し、ポジティブな気持ちを保つための方法となるのです。
ダイエットをサポートする効果が期待できる
質の良い睡眠はダイエットをサポートする効果が期待できます。
睡眠中には「成長ホルモン」が分泌されます。このホルモンは、体の組織を修復し、老化を遅らせるだけでなく、脂肪代謝をサポートし、筋肉の維持に関与します。
逆に、睡眠時間が不足すると、食欲を増進する「グレリン」が増加し、「レプチン」という満腹感を感じさせるホルモンの分泌が減少することが考えられます。
食欲が増した結果、過剰な摂取カロリーは脂肪として体内に蓄積してしまうため、ダイエットで得られる体重減少などの効果が半減、またはなかったことになる可能性も。
近年では「睡眠ダイエット」と呼ばれる質の良い睡眠は、ダイエットをサポートする一因として注目を集めています。
下の記事では睡眠ダイエットについて解説していますので、ぜひご覧ください。
睡眠とダイエット、筋トレの関係は?寝て痩せる!睡眠ダイエットの効果を解説
質の良い睡眠を取るために食べ物(食事)で摂取すべき栄養素は?
次は質の良い睡眠を取るために食べ物(食事)で積極的に摂取するべき栄養素を3つ紹介します。あまり馴染みのないものもありますが、ぜひこれを機に知ってくださいね。
トリプトファン
トリプトファンは、質の良い睡眠に不可欠なアミノ酸の一つです。
このアミノ酸は体内で心身を安定させるセロトニンという神経伝達物質や、眠りを促すメラトニンのもとになっています。その後、メラトニンという睡眠ホルモンへと変わります。
トリプトファンが含まれているとされる代表的な食品は以下の通りです。
- 乳製品
- レバー
- 大豆類
- ナッツ類 など
就寝前にこれらの食品を摂取することで、睡眠の質の向上をサポートすることが期待されますす。
ただし、食事の量が多すぎると消化が追いつかず、逆に睡眠の質を下げる可能性もあるので注意が必要です。
ビタミンB6
ビタミンB6は、上でも解説したトリプトファンというアミノ酸をセロトニンへと変換する役割を果たします。
つまり、ビタミンB6は睡眠の質を高めるために不可欠な栄養素と言えます。ビタミンB6が含まれる代表的な食品は以下の通りです。
- マグロ
- 鶏肉
- バナナ など
これらの食品を日々の食事に取り入れることで、睡眠の質を改善することが可能です。ただし、過剰摂取は避け、バランスよく摂取しましょう。
グリシン
グリシンは、体内で生成されるアミノ酸の1つで、脳の働きを整える役割を担っています。
グリシンには体温を下げる効果や、筋肉の疲労を和らげる効果があるため、日々の生活で疲れた体をリラックスさせ、より良い睡眠を促します。
グリシンが含まれる代表的な食品は以下の通りです。
- ゼラチン
- 豆腐
- 卵
- 豚の皮 など
これらの食品を摂取することで、睡眠の質の向上をサポートすることが期待されます。た
だし、過剰摂取は避け、バランスの良い食事を心掛けましょう。
睡眠の質を上げる方法を10つ解説!
次は睡眠の質を上げる方法を10つ解説します。
適度な運動
適度な運動は、良質な睡眠を得るための有効な手段です。しかし、そのタイミングも重要です。
運動により体温が上昇し、その後下降するときに眠気を感じます。そのため、寝る数時間前に適度な運動をすると良いでしょう。
具体的には、軽いストレッチや散歩、ヨガなどがおすすめです。
ただし、激しい運動は筋肉が興奮状態になり眠りにくくなることがあるため、あくまで「軽く」を意識します。
日頃から適度な運動を取り入れ、質の良い睡眠を追求していきましょう。
仰向けで就寝する
仰向けで就寝することは、質の良い睡眠を促進する重要な方法です。
仰向けは背中全体で体重による圧力を支えられることや、手足が動かしやすくなることから体液の循環にも良く、筋肉がこりにくいと考えられています。
また、背筋をまっすぐ保つことで、身体への負担を軽減し、深い睡眠を促進します。
ただし、仰向けで寝る際には、枕の高さに注意が必要です。首への負荷を避けるためには、頭と背中が一直線になるような枕を選ぶことがオススメです。
他にも「横向きでないと寝られない」など寝る姿勢にこだわりを持っている方の場合は無理に仰向けで寝ようとしてストレッチにならないよう、できる範囲で心がけましょう。
朝起きたら日光を体に浴びる
朝日を浴びることで、体内時計がリセットされます。これにより、体内のメラトニンという睡眠ホルモンの分泌が調整され、夜間にしっかり眠るための体内リズムが整うのです。
メラトニンは、暗闇に反応して分泌が促進されるため、朝に明るい光を浴びることでその分泌を抑制し、夜になると自然と分泌が増えて眠りを深める効果があります。
朝日の浴び方については、早朝の散歩や窓辺での朝食などが効果的です。
ただし、紫外線には注意しましょう。日焼け止めを塗った後、約10分程度日光を浴びるのが理想的と言われています。
朝食をしっかり摂取する
朝食は一日の活動エネルギーを供給する重要な食事です。
睡眠中に体はエネルギーを消費しているため、朝には空腹状態になっています。適切な栄養補給がないと、脳の働きや集中力が低下し、それが睡眠の質へも影響を与えます。
栄養バランスの良い朝食を摂取することで、一日の活動に必要なエネルギーと栄養を得ることができ、さらに睡眠の質も向上します。
寝具を整える(睡眠環境を整える)
寝具の選択は、睡眠の質を大幅に向上させる重要な一部です。
布団やマットレスは体を支えて寝返りを助け、適切な温度を保つ役割を果たします。
寝具の中でも特に重要なのが枕です。脊椎を自然な位置に保つためには、頭と首への適切な形状や柔らかさのものを選ぶ必要があります。
さらに、寝具だけでなく寝室全体の環境も重要です。適切な湿度と温度、静寂な環境、暗闇は質の良い睡眠に欠かせません。
これらの条件を整えることで、より快適で質の高い睡眠を実現することが可能となります。
寝る2〜3時間前にお風呂へ入って体を温める
寝る前にお風呂に入ることは、睡眠の質を高めるとても有効な方法です。
特に、就寝の2〜3時間前にお風呂に入ることで、適切な体温調整が可能となります。
体温は睡眠と深い関連性を持っています。体温が下がることで、睡眠ホルモンのメラトニンの分泌が促進され、自然と眠気が訪れるのです。
また、お風呂で暖まってから時間を置くことで、体温が自然に下がり始め、より良い睡眠につながります。
お風呂の温度は熱すぎず、ぬるすぎず38度前後で約30分程、ゆったりとつかると良いでしょう。心身ともリラックスできますし、ストレス解消にもつながります。
温かい飲み物を飲む
睡眠の質を上げるためには、寝る前に温かい飲み物を飲むことが有効です。
体を内側から温めることで、リラックスした状態になりやすく、深い眠りへと誘います。
温かい飲み物としては、ノンカフェインのハーブティーやカモミールティー、または牛乳がおすすめです。これらの飲み物は、体をリラックスさせる効果を持つ成分を含んでいます。
ただし、寝る前に大量の液体を摂取すると、夜中にトイレに起きる原因となり、睡眠の質を下げてしまう可能性があるため、注意が必要です。
お昼寝を活用する
お昼寝は質の良い睡眠を目指す上で有効な手段です。
短時間の睡眠でも、リフレッシュ効果があり、疲労回復や集中力アップにつながります。
しかし、適切な時間帯や長さを守らないと、夜の睡眠を妨げる原因となるため、お昼寝の最適な時間は15分〜30分が理想的です。
これを超えると深い眠り(レム睡眠)に入り、逆に体がだるくなる可能性も。
サプリメントを活用する
質の良い睡眠を得るためには、適切な栄養が必要不可欠です。しかし、食事だけで必要な栄養を摂取するのは難しい場合もあります。そこで役立つのが、睡眠サポートを目的としたサプリメントです。
おすすめの成分は「メラトニン」や「グリシン」「トリプトファン」などの成分が含まれたもの。これらは睡眠の質を向上させる効果が科学的に証明されています。
ただし、サプリメントはあくまでも食事の補助的な役割を果たすもので、基本的な生活習慣を整えることが前提となります。また、適切な使用方法や使用量を守ることが重要です。
寝る前の喫煙・アルコール・カフェインは控える
寝る前の喫煙・アルコール・カフェインの摂取は、身体に対して刺激を与え、深い睡眠を妨げる可能性があります。
例えば、タバコのニコチンは刺激物質であり、交感神経を刺激することもあり、寝つきを悪くする可能性があります。
また、アルコールは一時的に眠気を引き起こすものの、体内で分解されると反動で覚醒作用を引き起こし、中途覚醒を誘発するため注意が必要です。
ほかにも、カフェインは脳を覚醒させる作用があるため、寝る数時間前は先ほど紹介したノンカフェインのハーブティーやカモミールティー、または牛乳がおすすめです。
かたぎり塾の現役トレーナーが答えます!睡眠の質に関するQ&A
ここではかたぎり熟の現役トレーナーが、皆さんの質問にお答えします。
睡眠の質を下げる行為は何がある?
睡眠の質を下げる行為には次のようなものが挙げられるでしょう。
- 不規則な生活習慣
- 高いストレス
- 寝る前のスマホやPCの使用 など
他にも本記事で紹介したタバコやアルコール、カフェインも睡眠の質を低下させます。
睡眠の質が低いと太るって本当?
睡眠の質が低下すると、太りやすくなる傾向にあります。これは、睡眠不足がホルモンバランスを乱し、食欲を増進させてしまうからです。
本記事でも解説しましたが、睡眠不足で影響を受けるのが「レプチン」と「グレリン」という二つのホルモンです。
レプチンは満腹感を感じさせ、グレリンは食欲を促進します。睡眠不足が続くと、レプチンが少なく、グレリンが多く分泌され、結果として食欲が増進します。
これらの理由から、質の良い睡眠はダイエットにもつながるということですね。
1日7時間の睡眠は痩せるって聞いたけど本当?
「1日7時間の睡眠は痩せる」とは一概には言えませんが、先ほど紹介した「睡眠ダイエット」では睡眠時間のトータルは7時間が良いとしています。
しかし、適切な睡眠時間を取っていても「深い睡眠」でなければ効果は半減します。深い睡眠を得るためには、適度な運動やバランスの良い食事、リラクゼーションなどが大切です。
本記事では睡眠の質について解説しました。
近年仕事や家事、勉強と忙しくてなかなかしっかりと睡眠が取れない方も増えています。
しかし睡眠の質を高めることは「長く睡眠時間を取れば良い」というわけではないため、短い時間でも効率良く睡眠の質を高め、健康な心身を維持できるよう工夫してみてください。
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